下町のイメージか色濃く残る地域に建つ共同住宅の計画です。外観は一昔前にはよく見かける事ができた黒い腰鎧張りに漆喰の外壁、黒い屋根瓦の建築の暗喩として計画しています。記憶の中にあるモノクロ写真を彷彿とさせる表情を持っています。建物の前に立つと黒い壁に穿たれた開口から弁柄色の壁が覗き、建物内に歩みを進め視線を移すとキラキラ輝く江戸切子がデザインされたエントランスが迎えてくれます。地域性と歴史性が織りなす感性に働きかける建築です。
また、この街区では小規模な建物が敷地いっぱいに連坦し、密集した沿道は味気なく潤いがありません。今回の計画では賃貸の要請から容積率を使い切りながら道路境界から建物を後退させています。圧迫感を軽減しながらささやかながらも緑を提供する事で生活環境の向上を目指しています。
